筋力トレーニングを実施する順番

【2020年6月更新】
筋力トレーニングの成果を上げるためには、各トレーニング種目を実施する順番が大切で、これは対象となる筋肉の大きさと実施する種目の分類(コンパウンド種目|アイソレーション種目)によります。
この基本理論を解説するとともに、具体的な自宅(自重・チューブ・ダンベル)とジム(マシン・バーベル)での実施方法をご紹介します。
筋力トレーニングを実施する順番
①大きな筋肉から小さな筋肉へ
筋力トレーニングを実施する順番として、まず優先するべき要素が「大きな筋肉からはじめ小さな筋肉を仕上げる」ということです。
このためには、筋力トレーニングの対象となる主な全身の筋肉と作用、そしてそれらの連動性(グループ)を理解する必要があります。
筋力トレーニングの対象となる主な骨格筋は、その連動性と共働関係から以下のようにグループ分けされるのが一般的です。それぞれの筋肉名称と主な作用は以下のようになります。
1.上半身前面(押す動作)のグループ
大胸筋:上腕を前方に押し出し閉じる
三角筋:上腕を上・前・横・後ろに上げる
上腕三頭筋:肘関節を伸展させる
前腕伸筋群:手首関節を伸展させる
腹筋群:体幹を屈曲・回旋させる
このほかに、小胸筋・前鋸筋・肘筋などの深層筋も含まれます。
2.上半身後面(引く動作)のグループ
僧帽筋:肩甲骨を引き寄せる
広背筋:上腕を上・前から引き寄せる
上腕二頭筋:肘関節を屈曲させる
前腕屈筋群:手首関節を屈曲させる
脊柱起立筋:体幹を伸展させる
このほかに、菱形筋・大円筋・回旋筋腱板。上腕筋などの深層筋も含まれます。
3.下半身前面(押す動作)のグループ
腸腰筋群:股関節を屈曲させる
大腿四頭筋:肘関節を伸展させる
下腿三頭筋:足首関節を伸展させる
4.下半身後面(引く動作)のグループ
臀筋群:股関節を伸展させる
ハムストリングス:膝関節を屈曲させる
内転筋群:大腿を内転させる
具体的な筋力トレーニングの順番
筋力トレーニングの対象となる骨格筋のなかで、最大の体積を持つのは大腿四頭筋で、ついで広背筋です。また、筋肉グループとしての筋量は多い順に、①下半身の筋肉、②上半身の引く筋肉、③上半身の押す筋肉、④体幹の筋肉、になります。
このため、同日に複数の筋肉グループをトレーニングする場合の実施の順番は以下の通りです。
①下半身の筋肉
②上半身の引く筋肉
③上半身の押す筋肉
④体幹の筋肉
また、各筋肉グループを構成する筋肉の大きさとトレーニングの実施の順番は以下の通りです。
下半身の筋肉のトレーニングの順番
下半身の筋肉の大きさと、筋力トレーニングの実施の順番は以下の通りです。
①大腿四頭筋
②ハムストリングス
③臀筋群
④内転筋群
⑤下腿三頭筋
上半身の引く筋肉のトレーニングの順番
上半身の引く筋肉の大きさと、筋力トレーニングの実施の順番は以下の通りです。
①広背筋
②僧帽筋
③上腕二頭筋
上半身の押す筋肉のトレーニングの順番
上半身の押す筋肉の大きさと、筋力トレーニングの実施の順番は以下の通りです。
①大胸筋
②三角筋
③上腕三頭筋
筋肉の名称と作用の図鑑
②複合関節種目から単関節種目へ
筋力トレーニングの種目には大きく2種類があり、一つは複合関節種目(コンパウンド種目)、そしてもう一つが単関節種目(アイソレーション種目)で、それぞれの分類方法と実施の順番は以下の通りです。
①複合関節種目|コンパウンド種目
同時に複数の筋肉と関節を動かすトレーニング種目で、高重量を扱って大きな筋肉に負荷をかけられます。実際の筋力トレーニングにおいては先に実施します。
②単関節種目|アイソレーション種目
単一の筋肉と関節だけを動かすトレーニング種目で、低重量で集中的に小さな筋肉に負荷をかけられます。実際の筋力トレーニングにおいてはコンパウンド種目の後に実施します。
具体的なトレーニングの順番
大胸筋の種目
①先に行う高重量コンパウンド種目
腕立て伏せ
片手腕立て伏せ
膝つき腕立て伏せ
斜め腕立て伏せ
足上げ腕立て伏せ
ディップス
チューブチェストプレス
チューブインクラインプレス
チューブデクラインプレス
チューブクロスプレス
チューブプルオーバー
ダンベルプレス
ダンベルインクラインプレス
ダンベルデクラインプレス
バーベルベンチプレス
バーベルインクラインベンチプレス
バーベルデクラインベンチプレス
バーベルワイドベンチプレス
バーベルリバースベンチプレス
マシンチェストプレス
スミスマシンベンチプレス
スミスマシンインクラインプレス
スミスマシンデクラインプレスbukiya.netより
②後に行う低重量アイソレーション種目
チューブチェストフライ
チューブインクラインフライ
チューブデクラインフライ
チューブクロスフライ
ダンベルフライ
ダンベルインクラインフライ
ダンベルデクラインフライ
マシンチェストフライ
ケーブルフライ
ケーブルクロスオーバーbukiya.netより
三角筋の種目
①先に行う高重量コンパウンド種目
パイクプッシュアップ
逆立ち腕立て伏せ
チューブショルダープレス
チューブアップライトロウ
チューブフェイスプル
ダンベルショルダープレス
ダンベルアップライトロウ
ダンベルフェイスプル
バーベルショルダープレス
バーベルアップライトロウ
マシンショルダープレス
スミスマシンショルダープレスbukiya.netより
②後に行う低重量アイソレーション種目
チューブフロントレイズ
チューブサイドレイズ
チューブリアラテラルレイズ
ダンベルサイドレイズ
ダンベルフロントレイズ
ダンベルリアラテラルレイズ
ケーブルデルタレイズbukiya.netより
上腕三頭筋の種目
①先に行う高重量コンパウンド種目
ダイヤモンド腕立て伏せ
ナロープッシュアップ
ダンベルトライセプスプレス
バーベルナローベンチプレスbukiya.netより
②後に行う低重量アイソレーション種目
チューブプレスダウン
チューブフレンチプレス
チューブトライセプスエクステンション
チューブキックバック
ダンベルフレンチプレス
ダンベルキックバック
ダンベルテイトプレス
バーベルフレンチプレス
ケーブルプレスダウン
ローププレスダウンbukiya.netより
背筋群の種目
①先に行う高重量コンパウンド種目
懸垂
斜め懸垂
チューブデッドリフト
チューブラットプル
チューブローイング
チューブベントオーバーロー
チューブワンハンドローイング
ダンベルローイング
ワンハンドローイング
ダンベルデッドリフト
ダンベルプルオーバー
バーベルデッドリフト
バーベルプルオーバー
バーベルベントオーバーロー
ケーブルラットプルダウン
ケーブルローイング
スミスマシンデッドリフト
T-バーローイングbukiya.netより
②後に行う低重量アイソレーション種目
バックエクステンション
チューブリバースフライ
チューブショルダーシュラッグ
チューブバックエクステンション
チューブグッドモーニング
ダンベルショルダーシュラッグ
ダンベルリバースフライ
ダンベルグッドモーニング
バーベルショルダーシュラッグ
バーベルグッドモーニングbukiya.netより
上腕二頭筋の種目
①先に行う高重量コンパウンド種目
bukiya.netより
②後に行う低重量アイソレーション種目
チューブカール
チューブハンマーカール
チューブコンセントレーションカール
チューブリバースカール
ダンベルカール
コンセントレーションカール
ダンベルハンマーカール
ダンベルサイドカール
ダンベルインクラインカール
ダンベルリーバースインクラインカール
バーベルカール
バーベルリバースカール
ケーブルカールbukiya.netより
大腿四頭筋の種目
①先に行う高重量コンパウンド種目
自重スクワット
シシースクワット
チューブスクワット
チューブレッグプレス
ダンベルスクワット
バーベルスクワット
フロントスクワット
マシンレッグプレス
スミスマシンスクワット
ハックスクワットbukiya.netより
②後に行う低重量アイソレーション種目
チューブレッグエクステンション
ダンベルレッグエクステンション
マシンレッグエクステンションbukiya.netより
ハムストリングスと臀筋群の種目
①先に行う高重量コンパウンド種目
ブルガリアンスクワット
ダンベルランジ
スティッフレッグドデッドリフト
バーベルフロントランジbukiya.netより
②後に行う低重量アイソレーション種目
チューブレッグカール
チューブレッグリフト
ダンベルレッグカール
マシンレッグカールbukiya.netより
内転筋群の種目
①先に行う高重量コンパウンド種目
bukiya.netより
②後に行う低重量アイソレーション種目
bukiya.netより
筋力トレーニング種目一覧
筋力トレーニング各種目の具体的な実施方法は下記ページ(sfphes.org)をご参照ください。
各トレーニングの実施方法
筋肉部位、方法別の詳細な筋力トレーニングの実施方法は下記の各リンク先をご参照ください。
女性のための筋力トレーニング情報
女性の部位別トレーニング一覧
筋力トレーニングと食事の基礎知識
筋力トレーニングを実施したら、そこで満足して終わるのではなく、トレーニング効果を最大限高める食事・栄養摂取をする必要があります。