「コラム記事37」有酸素運動とは

【2020年8月更新】

有酸素運動のエネルギー消費の仕組みと特性について解説します。あわせて、一般的な有酸素運動の種類と単位時間当たりの消費カロリーについても解説します。

本記事は、公益社団法人JPA日本パワーリフティング協会によるトレーニング情報記事です。

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有酸素性エネルギー代謝

有酸素運動で消費されるエネルギーは、正しくは「有酸素性エネルギー代謝」と呼ばれています。

人間の運動は骨格筋の収縮によって行われていますが、その筋肉の収縮のエネルギー源はアデノシン三リン酸(ATP|adenosine triphosphate)と呼ばれる体内で生成される物質で、ATPが分解してADP(アデノシン二リン酸)になる時に開放されるエネルギーが筋収縮をつかさどっています。

アデノシン三リン酸(アデノシンさんリンさん、adenosine triphosphate)とは、アデノシンのリボース(=糖)に3分子のリン酸が付き、2個の高エネルギーリン酸結合を持つヌクレオチドのこと。ATPは真核生物や真正細菌の全てが利用している解糖系でも産生される物質であるため、地球上の生物の体内に広く分布する。生体内では、リン酸1分子が離れたり結合したりすることで、エネルギーの放出・貯蔵、あるいは物質の代謝・合成の重要な役目を果たしている。

引用:Wikipedia「アデノシン三リン酸」

ATP合成とクエン酸回路

人間の体内のATPには限りがあり、体内で生合成されて補給されますが、その合成経路にはいくつかがあり、主なところでは無酸素性エネルギー代謝と有酸素性エネルギー代謝とがあります。

有酸素性エネルギー代謝は、主に細胞内のミトコンドリアにおいて行われ、そのATPを合成する仕組みは「クエン酸回路」と呼ばれています。

クエン酸回路(クエンさんかいろ)とは好気的代謝に関する最も重要な生化学反応回路であり、酸素呼吸を行う生物全般に見られる。これらの補充反応及び消費反応は、クエン酸サイクルの回転でアセチルCoAと結合してクエン酸を形成するために利用可能なオキサロ酢酸の量を増加または減少させる。この回転量がミトコンドリアによるATP製造量と細胞へのATPの提供量の増減を左右することとなる。

引用:Wikipedia「クエン酸回路」

厚生労働省による有酸素性エネルギー消費に関する記載

ヒトが生命を維持するためには、生体内においてエネルギーを作り出すことが必要です。有酸素性エネルギー代謝は、そのエネルギー生成過程のひとつの経路で、主に脂肪酸をエネルギー源として利用します。このエネルギー代謝は、運動中においても重要な働きをしています。

有酸素性エネルギー代謝は、主にミトコンドリア内で行われます。グルコースや脂肪酸や多くのアミノ酸は、アセチルCoAにまで代謝され、クエン酸回路に入ります。その後このクエン酸から呼吸鎖に入り、そこで大量のATPが産生されます。この過程は酸素を必要とするため有酸素性エネルギー代謝と呼ばれます。

引用:厚生労働省eヘルスネット「有酸素性エネルギー代謝」

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有酸素性エネルギー代謝と無酸素性エネルギー代謝

運動においては、その運動強度や運動持続時間に応じて、無酸素性エネルギー代謝と有酸素性エネルギー代謝がバランスをとりながら入れ替わり行われています。

無酸素性エネルギー代謝においては、グルコースが主なエネルギー源として使われており、運動強度が上がるにつれて、体内の糖質のエネルギーへの分解は高まるという正の相関関係が求められます。

有酸素性エネルギー代謝においては、脂肪酸が主なエネルギー源として使われますが、運動強度が上がるにつれて、体組織による血中脂肪酸の取り込みは低下することが知られています。

つまり、激しい筋収縮をともなう運動では無酸素性エネルギー代謝が優位となり、穏やかで持久的な運動では有酸素性エネルギー代謝が優位になることが推測されます。

具体的には、瞬発力を要する筋力トレーニングなどは無酸素性エネルギー代謝が優位となるため「無酸素運動」と呼称され、ランニングなどの持久的な運動は有酸素性エネルギー代謝が優位となるため「有酸素運動」と呼称されています。

主な有酸素運動の種類と単位時間あたりの消費カロリー

ウォーキング|30分で100~160kcalの消費

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ウォーキングはもっとも手軽で誰でも取り組める有酸素運動です。有酸素運動としての効果を期待する場合は、息の上がらない程度の強度で30分以上の持続的な継続が必要です。

ウォーキングは外で行うことが一般的ですが、天候に左右されることや時間帯によっては女性にはリスクがあるため、自宅でのウォーキングマシンでの実施も盛んになってきています。

ジョギング|30分で150~250kcalの消費

ジョギングはウォーキングよりも強度が高く、30分あたりの標準的な運動消費カロリーも1.5倍ほどになります。運動の苦手な方は、まずはウォーキングからはじめ、身体が慣れるにしたがってジョギングへと移行するのも一つの手段です。

ウォーキング同様、自宅でのジョギングマシーン(ランニングマシーン)での実施も普及してきています。

サイクリング|30分で100~200kcalの消費

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サイクリングはウォーキングやジョギングに比べ、膝関節や股関節への負担が少なく、より長時間の実施が可能なことが特徴です。また、身体への負担が少ないことから継続的な実施にも有利とされています。

天候をはじめとした外的要因に左右されず実施するためには、自宅用のエアロバイクの使用が有効です。

なわとび|30分で200~500kcalの消費

なわとび運動はかなり強度の高い有酸素運動で、その30分あたりの運動消費カロリーもウォーキングの2~3倍になります。標準的な女性のダイエット運動として実施する場合は、息があまりあがらない程度に、インターバルをはさみながら断続的に30分以上行うと効果的です。

また、室内で行っても音が出ず、また床へのダメージのない「エアー縄跳び」などの用具も普及してきています。

トランポリン|30分で100~160kcalの消費

トランポリンは単位時間あたりの運動消費カロリーがウォーキングとほぼ同様で、楽しみながら運動に取り組めることから、近年人気が上昇しており、家庭用の小型トランポリンなども流通しています。

階段のぼり|30分で200~400kcalの消費

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階段のぼりは強度の高い有酸素運動で、その30分あたりの運動消費カロリーもウォーキングの2~3倍になります。

一般的な女性のダイエット運動として実施する場合は、息が上がりすぎず、心拍が下がりすぎずの運動量に調整するため、適度なインターバルをはさみながら断続的に行うとよいでしょう。

ジャンプ運動|30分で200~500kcalの消費

ジャンプ運動もかなり強度の高い有酸素運動で、その30分あたりの運動消費カロリーはウォーキングの2~3倍にもなります。具体的には30秒間ジャンプを続け、60秒間インターバルをとるのを1セットとし、10~20セットを実施します。

なお、ジャンプの仕方を「閉脚ジャンプ」「開脚ジャンプ」「前後ジャンプ」「左右ジャンプ」などと変えていくことで、下半身の筋肉に多角的な負荷を加えられる筋力トレーニング効果を加味していくことも可能です。

女性のダイエット運動

さらに詳しい、女性のための運動メニュー(無酸素運動|有酸素運動)については、下記の記事で詳しく解説しています。

女性のダイエット運動メニュー比較

女性の無酸素運動(筋トレ)

下記の記事では、女性の無酸素運動(筋力トレーニング)について、自宅メニュー(自重・チューブ・ダンベル)とジムメニュー(マシン・バーベル)の別に解説しています。

女性の筋力トレーニング

サーキットトレーニング

サーキットトレーニングは、有酸素運動と無酸素運動を組み合わせた、エネルギー消費にとても効率的な運動方法です。その具体的なプログラムの組み方は、下記の記事で詳しく解説しています。

サーキットトレーニングの組み方(自宅・ジム)

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