縫工筋の構造・作用と鍛え方(筋力トレーニング)

縫工筋(Sartorius muscle|ほうこうきん)の構造・作用およびトレーニング方法について解説します。
【2021年1月更新】
縫工筋の構造と作用
縫工筋は大腿部を斜めに走るように位置する筋肉で、股関節の屈曲・外転・外旋および膝関節の屈曲・内旋の作用を持ちます。
縫工筋(ほうこうきん、Sartorius muscle)は人間の大腿骨の筋肉で股関節の屈曲・外転・外旋や膝関節の屈曲・内旋を行う。
縫工筋の鍛え方
縫工筋だけをターゲットに鍛えられるトレーニング種目はありませんが、主に股関節屈曲動作をともなうレッグレイズ系トレーニング種目のなかで腸腰筋群と同時に刺激を加えることは可能です。また、膝間接屈曲動作をともなうレッグカール系種目でも刺激できます。
縫工筋が関与するトレーニング種目
縫工筋が関与するトレーニング種目は以下の通りです。
縫工筋のトレーニング種目
レッグレイズ
レッグレイズは腹直筋下部や腸腰筋群のトレーニング種目ですが、縫工筋の作用である「足を前に上げる」動作をともなうことから、縫工筋にも有効なトレーニング種目です。
腰を浮かせないように気をつけ、また、反動を使わないように動作します。
なお、足はあまり高く上げる必要はなく、足を上げる角度は45度前後が適切です。
チューブレッグレイズ
チューブレッグレイズは、自重でのレッグレイズにトレーニングチューブのレジスタンス負荷を追加したトレーニング種目です。
ダンベルレッグレイズ
ダンベルレッグレイズは、通常のレッグレイズに加え、足首位置でダンベルを挟むことでウエイト負荷を追加したバリエーションです。
股関節の構造と周辺の筋肉
股関節を構成する骨
股関節は骨盤骨の窪みである寛骨臼に大腿骨の先端である大腿骨頭がはまるようにして構成されている球関節です。
また、股関節周辺には恥骨・脊椎骨(腰椎・仙堆・尾堆)が位置しています。
股関節(こかんせつ)は寛骨臼と大腿骨頭よりなる球関節(関節部分が球形(股関節の他に肩関節))であり、荷重関節(体重などがかかる関節(他に膝関節など))である。大腿骨頭は半球を上回る球形で、寛骨臼は深く大腿骨頭を収納するように形成され、大腿骨頭が容易に脱臼できない仕組みになっている。
股関節周辺の筋肉
股関節を構成している主たる筋肉(または周辺の筋肉)には、大腿直筋(大腿四頭筋)・腸腰筋群・内転筋群・臀筋群・大腿方形筋・縫工筋・梨状筋などがあります。
股関節周辺の筋肉の鍛え方
▼詳細記事
膝関節の構造と周辺の筋肉
膝関節を構成する骨
膝関節は大腿骨・脛骨・膝蓋骨の3つの骨から構成されています。
膝関節(しつかんせつ)は、膝にある関節。膝関節は大腿骨と脛骨と膝蓋骨から成る関節であり、機能的には蝶番関節に近く、構造的には顆状関節に分類される。膝関節の関節半月は線維軟骨で構成される。
膝関節を構成する筋肉と周辺筋
膝関節は、太ももの筋肉である大腿四頭筋(大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋)およびふくらはぎ周辺の筋肉である腓腹筋・膝窩筋・足底筋から構成されています。
また、このほかに膝関節の周辺にはハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)・縫工筋・下腿三頭筋(腓腹筋・ひらめ筋)・前脛骨筋などがあります。
膝関節に関与する筋肉の鍛え方
▼詳細記事
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