筋力トレーニングに使用する個人装備品

【2020年3月更新】

筋力トレーニングに使用する用品類(個人装備品)のなかでも、特に重要なものがトレーニングベルト、リストラップ、ニースリーブ、パワーグリップです。その特性について、パワーリフティング競技規定および世界パワーリフティング協会(IPF)公認品を製作している国内メーカーによる記載を参照しつつ解説します。

パワーリフティングは、ウエイトトレーニングの種目の中で、基本的で高重量を扱える種目であるスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目の最大挙上重量の総計を競うスポーツである。

レベルが高い選手は、ほぼ全員が「ギア」を着用している。

引用:Wikipedia

※ギア=個人装備品

本記事は、公益社団法人JPA日本パワーリフティング協会によるトレーニング情報記事です。

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パワーリフティング競技で使用できるギア類

本記事で解説するトレーニング用品類のなかで、パワーリフティング競技での着用・使用が認められているのがトレーニングベルト(パワーベルト)・リストラップ・ニースリーブで、パワーグリップやリストストラップなどの握力を補助するギアの使用は認められていません。

また、トレーニングベルト、リストラップ、ニースリーブにはそれぞれ規定が設けられています。

第1条(目的)
この規程は、公益社団法人日本パワーリフティング協会(以下「本協会」という)が公式に認定した国内の競技会(以下「公認大会」という)において使用されるパワーリフティング競技用の器具、個人装具等(以下まとめて「器具類」という)を、本協会として公式に認定するために必要な事項について定めるものである。

第2条(適用範囲)
この規程を適用する器具類は次の各号のとおりとする。

(1)バー、プレート
(2)スクワットラック、ベンチプレス台
(3)リフティングスーツ、ベンチプレスTシャツ、ベルト等の個人装具

さらに詳しくは下記の引用元ページをご参照ください。

引用:パワーリフティング用器具類の公式認定に関する規程

トレーニングベルト

トレーニングベルトを着用する意味

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トレーニングベルト(パワーベルト)を着用することで、物理的に腰周りを補強・サポートすることが可能で、競技中や筋力トレーニング中の腰へのダメージリスクを軽減できることが、本ギアを着用・使用する大きな意味の一つです。

トレーニングベルト着用の効果

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トレーニングベルトを着用することで得られる効果は次の二点です。

①体幹動作が安定し高重量を扱いやすくなる

②腹圧が上昇し最大筋力が向上する

トレーニングベルトの種類

トレーニングベルトには主に以下の種類があります。

①布・ナイロンベルト

②革製トレーニングベルト

③ピンバックル式パワーベルト

④フックバックル式パワーベルト

⑤レバーアクション式パワーベルト

筋トレ時にトレーニングベルトを巻くことにより、物理的に脊柱起立背筋が補強され腰椎にかかる負荷を軽減することが可能です。とくに、高重量で行う種目や不安定な動作をともなう種目では、一瞬の不注意が腰痛発生につながり、そうなってしまっては、しばらくトレーニングを行うことができなくなってしまいます。腰椎の保護、まずはこのことがトレーニングベルトを使用する第一の意味です。

トレーニングベルトを使用するのには腰椎保護以外にも、まだいくつかの大きな意味があります。まずは、トレーニングベルトを巻くことにより、物理的に体幹が補強されますので身体の芯がブレにくくなります。これにより、動作が安定し、より高重量でトレーニングが行えたり、あと1回、あと2回、といった追い込みも可能になります。つまり、トレーニングの質自体が高まるのです。

また、トレーニングベルトによって強制的に腹部外側を固定することにより、腹囲の膨張を物理的に制限し、結果として腹圧を高めることができます。最大筋力と腹圧の間には密接な関係性があり、腹圧が高いほうが最大筋力は上昇します。つまり、トレーニングベルトを巻くことにより、筋トレのパフォーマンス自体が大幅に向上します。

まとめると、トレーニングベルトを巻くことで、より安全に、より高重量で、よりハイパフォーマンスで、効率的にトレーニングを行うことが可能になるのです。このことが、トレーニングベルトを使用する意味+効果になります。

さらに詳しい、トレーニングベルトの種類ごとの特性などに関しては下記の引用元ページをご参照ください。

引用:トレーニングベルトの種類と特徴と使い方

トレーニングベルトの巻き方

トレーニングベルトは、一般的に考えられているよりも「かなりきつく」巻きます。

具体的には大きく息を吐き、腹部をへこませ、その状態でぴったりとベルトが密着する状態にセットします。これにより、腹部を元に戻したときにはトレーニングベルトの圧力が腹部に強くかかり、腹圧を大幅に高めることができます。

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パワーリフティング競技におけるトレーニングベルトの規定(抜粋)

ベルトを着用しても良い(着用しなくても良い)。ベルトはリフティング用スーツの外側に着用する。

(a)素材と構造

①ベルトは皮またはビニール製のもの、1層もしくは2層以上の場合には、接着剤または縫い合わせ均一になっていること。ただし、国内では全国規模・ブロックの大会を除き、厚さが均一になくても使用可能。

②補強の目的でパッド、金属などをベルトの表面や層の間に取り付けてはならない。

③バックルはベルトの端に縫うかピンなどで取り付ける。

④「クイック・リリース」ベルトを使用しても良い。

⑤皮製のループをバックルのそばに縫うかピンなどで取り付ける。

⑥ベルトの外側に選手の氏名、国、クラブの名称等を記入しても良い。

(b)寸法

①ベルトの幅は10㎝以内
②ベルトの厚さは13㎜以内
③バックルの内側の幅は11㎝以内
④バックルの外側の幅は13㎝以内
⑤ループの幅は5㎝以内
⑥ベルトの端とループの端までは25㎝以内

引用:ルールブックH30版改正

リストラップ

リストラップは手首関節を物理的にサポートするトレーニングギアで、特に高重量ベンチプレスの挙上においては不可欠です。

また、競技ベンチプレスではリストラップのサポート力にウエイトを支えさせることを前提とした「斜めに下ろして斜めに上げる軌道フォーム」があり、近年ではトップ選手の主流な挙上方法になってきています。

リストラップの長さ

リストラップの長さには主に以下のものがあります。

①30cmタイプ

②60cmタイプ

③99cmタイプ

30cmタイプは競技規定でストラップ類が使用できないデッドリフトの握力補助に使われます。

99cmタイプは競技競技ギリギリの長さで強いサポート力を発揮しますが上級者向きで、ベンチプレス150kgオーバーあたりから使用されます。

このため、初心者~中級者のプレス系トレーニングのサポート目的であれば、60cmタイプが適合します。

リストラップの適合種目は、ベンチプレス系種目・ショルダープレス系種目・トライセプス系種目といったプレス系種目がメインになりますが、手首保護のためカール系種目や、握力補強のためデッドリフト系種目などプル系種目で使用する場合もあります。

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なお、パワーリフティングやベンチプレスの公式競技では、リストラップが手の甲側にかぶさっていいのは「手首から2cmまで」と規定されていますので、競技を目指す方は初心者のうちからなれておくとよいでしょう。なお、競技に関係のない一般的なトレーニーの方は、2cmよりもやや深めに巻いたほうが手首へのサポート力は向上します。

リストラップがもっとも効力を発揮するが、自己ベストギリギリでのベンチプレス挙上ですが、上手く使うことで記録を伸ばすことが可能です。

こちらが競技ベンチプレスで上級者が行うリストラップの使い方で、手首をあえて寝かし、人体の造りに適合した、斜めに下ろして斜めに上げる軌道でベンチプレスを行うことで、より高重量を狙うことができます。

このやり方の場合、リストラップがないと非常に強い負担が手首にかかりますので、リストラップの装着は必須となります。

さらに詳しくは下記の引用元ページをご参照ください。

引用:リストラップの種類と特徴と使い方

リストラップの巻き方

なお、リストラップの正しい巻き方についてはこちらの動画をご参照ください。

要約すると、一周目は強く巻き、二周目で強さを調整するのが正しい手順です。

ニースリーブ

スクワットのボトムポジションで膝が前に出てしまうのを防ぎ、なおかつ強いサポート力を発揮するのがニースリーブです。

ニースリーブの正しい装着方法についてはこちらの動画をご参照ください。

なお、動画ではビニール袋を使っての装着方法が紹介されていますが、パワーリフティング競技の「試合会場での」ビニール袋を使っての着脱は禁止されています。その場合は、デッドリフトソックス(ハイソックス)の上から滑らせる方法があります。

さらに詳しくは下記の引用元ページをご参照ください。

引用:IPF公認ニースリーブ

パワーリフティング競技におけるラップ類の規定

(a)弾力性のある素材をポリエステル、綿、またはこれらの混合で覆って織られたラップ、または医療用包帯を使用しても良い。ゴム製、革製のものは禁止する。 使用できるのは1箇所につき1本のみとする。

(b)ラップは次のものを使用しても良い。

★リストラップ(手首用)

①幅8㎝、長さ1m以内のもの。(ワッカタイプも同様)リストバンドは幅10㎝以内であれば使用しても良い。但し、この2つの併用は禁止する。

②親指ループをしたまま試技をすることは禁止する。

③リストラップを使用するにあたり、手首関節より上2㎝、下10㎝、トータル12㎝を超えないこと。

★ニーラップ(膝用)

④幅8㎝、長さ2m以内のもの。ラップを巻いた時、膝関節より上15㎝、下15㎝、トータル30㎝を超えないこと。 ニーカップやサポーターを使用しても良い。長さは30㎝以内、厚さ7㎜以内とし、ストラップや紐、またはマジックテープが付いているのは使用できない。また、これとラップの併用は禁止する。

⑤ラップは手首、膝以外に用いてはならない。

(c)試技中にリストラップがバーに触れることや、試技中にリストラップ、ニーラップがほどけてしまうことは何ら問題ない。(失敗理由とはならない)

引用:ルールブックH30版改正

パワーグリップ

握力を補助し、プル系トレーニングでの追い込みに有効なのがパワーグリップやリストストラップ類です。

まずは、この写真のように手の平とパワーグリップでシャフトを挟むようにします。

一巻きしてパワーグリップをシャフトに巻きつけます。

そして、しっかりと握りグリップを決めます。

さらに強い補助力が必要な場合には、こちらのようなリストストラップが使用されます。

また、バーベル落下を確実に防げるのがこちらのような八の字タイプのリストストラップです。

さらに詳しくは下記の引用元ページをご参照ください。

引用:パワーグリップ・リストストラップの種類と使い方 

※パワーリフティング競技でのパワーグリップ・リストストラップ類の使用は禁止されていますので、通常のトレーニングでの使用となります。

エルボースリーブ

上半身の筋力トレーニング時に肘関節の保護およびサポートに有効な個人装備品がエルボースリーブです。

なかでも、近年トレーニングでの装着者が増えてきているタイプが、従来のサポーターにラップを組み合わせたタイプです。

構造は、このように従来型のサポーター部と、締めつけ用の伸縮性ストラップ二本から構成されています。

ラップ部分を平行巻きにしての装着方法です。

ラップ部分をX型にしての装着方法です。

さらに詳しくは下記の引用元ページをご参照ください。

引用:エルボースリーブの種類と特性

※パワーリフティング競技でのエルボースリーブ類の使用は禁止されていますので、通常のトレーニングでの使用となります。

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