「コラム記事74」女性の週6分割トレーニング

【2020年8月更新】
運動が苦手、いわゆる運動嫌いの女性でも毎日簡単に続けられるダイエット筋トレメニューを解説します。
また、毎日続けるためには筋肉の超回復について理解し、身体に負担の少ない部位分割法(スプリットメニュー)を導入する必要がありますので、その具体的なプログラムを例示します。
超回復理論とは?
筋力トレーニングを行い筋繊維に負荷をかけると、筋繊維はわずかな裂傷を負い、一定の回復期間の後にトレーニング前よりも強く・太くなって回復します。この生体反応を「超回復」と呼び、筋力トレーニングとは、計画的に超回復を繰り返すことにより筋肉を強くしていく行為です。
このため、筋肉に対してレジスタンス負荷をかける頻度・間隔には十分に留意してトレーニングプログラムを組み立てる必要があります。
骨格筋の超回復期間には、それぞれ固有の回復時間があり、それは年齢や性別によって左右されますが、20~30代男性の場合、おおよそ以下のようになります。
筋肉部位ごとの超回復期間
・大胸筋(胸の筋肉):48時間
・三角筋(肩の筋肉):48時間
・上腕三頭筋(二の腕後ろの筋肉):48時間
・僧帽筋(首の後ろの筋肉):48時間
・広背筋(背中の筋肉):72時間
・上腕二頭筋(二の腕前の筋肉):48時間
・腹筋群(お腹の筋肉):24時間
・脊柱起立筋(腰の筋肉):72時間
・大臀筋(お尻に筋肉):48時間
・大腿四頭筋(太もも前の筋肉):72時間
・ハムストリングス(太もも後ろの筋肉):72時間
・前腕筋群(前腕の筋肉):24時間
・下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉):24時間
なお、加齢とともに超回復期間は最大2倍程度まで長くなります。また、女性は男性に比べると筋肉合成に関わるホルモン分泌量が少ないため、男性よりも超回復期間が長くなる傾向にあります。
このような、超回復理論にのっとり効率的に全身をトレーニングしていくためには、全身の筋肉を連動性によっていくつかのグループに分け、ローテーションで鍛えていく「部位分割法|スプリットトレーニング」が最適です。
女性ダイエットトレーニングの負荷回数設定
筋力トレーニングの対象となる骨格筋は、筋繊維が束状になって構成されていますが、その筋繊維には大きく「遅筋」と「速筋」があり、速筋は「筋繊維タイプ2a」と「筋繊維タイプ2b」に分けられます。それぞれの特性と筋力トレーニングでの負荷設定は以下の通りです。
遅筋(筋繊維タイプ1)
持久的な運動において持続的な遅い収縮(Slow)をし、酸素(Oxygen)を消費することからSO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えてもほとんど筋肥大しません。陸上競技で例えるなら、長距離走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは20レップス以上の反復回数で挙上限界がくるような、低負荷設定で鍛えます。
速筋(筋繊維タイプ2a)
持久要素のある瞬発的な動作において速い収縮(Fast)をし、酸素(Oxygen)を消費することからFO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると筋肥大します。陸上競技で例えるなら、400~800m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは12~15レップスの反復回数で挙上限界がくるような、中負荷設定で鍛えます。
速筋(筋繊維タイプ2b)
瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10レップスの反復回数で挙上限界がくるような、高負荷設定で鍛えます。
15~20回以上の反復回数を目安とする
このようなことから、一般的な女性の筋力トレーニングにおいては、基本的には遅筋(筋繊維タイプ1)をターゲットに20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷高レップスでセットを実施し、部分的なボリュームアップや筋力アップを狙う部位は速筋(筋繊維タイプ2a)をターゲットに15回前後のレップスで実施します。
週6回のダイエット筋トレメニュー
筋トレを毎日やるメニュー、といっても実際のところは週1回は完全に休養日にしたほうがよいので、週6回のトレーニングプログラムになります。
その具体例は次の通りです。
週1回目の筋トレ(上半身の押す筋肉)
①腕立て伏せまたはヒンズープッシュアップまたはチューブチェストプレスまたはダンベルプレスを2~3セット
②チューブチェストフライまたはダンベルフライを1~2セット
②ダンベルプルオーバーを1~2セット
③パイクプッシュアップまたはチューブアップライトロウまたはダンベルアップライトロウを2~3セット
④チューブフェイスプルまたはダンベルフェイスプルを1~2セット
⑤ベンチディップスまたはチューブキックバックまたはダンベルフレンチプレスまたはダンベルキックバックを1~2セット
⑥カールアップクランチを1~2セット
週2回目の筋トレ(下半身の筋肉)
①自重スクワットまたはチューブスクワットまたはチューブレッグプレスまたはダンベルスクワットを2~3セット
②ブルガリアンスクワットを1~2セット
③ワイドスクワットまたはチューブアダクションンを1~2セット
④ダンベルレッグエクステンションを1~2セット
⑤チューブレッグカールまたはダンベルレッグカールを1~2セット
週3回目の筋トレ(上半身の引く筋肉)
①斜め懸垂またはチューブローイングまたはダンベルローイングを2~3セット
②チューブラットプルダウンを1~2セット
③バックエクステンションまたはチューブグッドモーニングを2~3セット
⑤カールアップクランチを1~2セット
週4回目の筋トレ(上半身の押す筋肉)
①腕立て伏せまたはヒンズープッシュアップまたはチューブチェストプレスまたはダンベルプレスを2~3セット
②チューブチェストフライまたはダンベルフライを1~2セット
②ダンベルプルオーバーを1~2セット
③パイクプッシュアップまたはチューブアップライトロウまたはダンベルアップライトロウを2~3セット
④チューブフェイスプルまたはダンベルフェイスプルを1~2セット
⑤ベンチディップスまたはチューブキックバックまたはダンベルフレンチプレスまたはダンベルキックバックを1~2セット
⑥カールアップクランチを1~2セット
週5回目の筋トレ(下半身の筋肉)
①自重スクワットまたはチューブスクワットまたはチューブレッグプレスまたはダンベルスクワットを2~3セット
②ブルガリアンスクワットを1~2セット
③ワイドスクワットまたはチューブアダクションンを1~2セット
④ダンベルレッグエクステンションを1~2セット
⑤チューブレッグカールまたはダンベルレッグカールを1~2セット
週6回目の筋トレ(上半身の引く筋肉)
①斜め懸垂またはチューブローイングまたはダンベルローイングを2~3セット
②チューブラットプルダウンを1~2セット
③バックエクステンションまたはチューブグッドモーニングを2~3セット
⑤カールアップクランチを1~2セット
さらに詳しい女性の筋力トレーニング
また、さらに詳しい女性向きの一週間プログラム例は下記の記事をご参照ください。
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